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冬咲く花、ヤツデの開花の不思議 [植物観察]

冬咲く花、ヤツデの開花の不思議

  私達がよく目にするヤツデ、冬咲く花で有名ですが、開花もそろそろ終わりとなりました。ところでこのヤツデとは実に不思議な花なのです。少し長い文書になりましたが読んで下さい。

ヤツデ ウコギ科 Araliaceae ヤツデ属 Fatsia 種ヤツデ F. japonicaヤツデ属の学名Fatsiaは“八手”を“ハッシュ”と読んだものをあてたそうです。

花言葉 固い絆。日本原産のヤツデ(八手)は東北地方を北限とし、沖縄まで生育している常緑の低木で、アオキとともに日陰~半日陰~日当たりで育つ植物です。

 

名前の不思議

  葉がヒトの手状に8つに分かれているからヤツデとした説があります。しかし、実際には8裂のものは少なくほとんどは9で7~11まであります。八手としたのは縁起をかついだものといわれています。八は末広がりから.縁起の良い数字とされています。一方、葉が多く分かれている(数が多い)ので八手とした説もあります(八百屋もその例)。ヤツデの葉は大きな掌状形で、魔物を追い払う力があると信じられ天狗の羽団扇とか鬼の手などとも言われ、昔から魔よけとして玄関付近の目につき易い所に植えられてきました。南天も似たような植え方がされています。ヤツデは有毒と考えられていたようですが,赤飯などのお供え物をヤツデの葉に盛り神に捧げる風習がありました。事実、ヤツデにはヤツデサポニンが含まれ、多く摂取すると有害ですが、少量ですと生薬に使われているくらいですから問題ないようです。

         八ツ手咲きこの世ひととき華やぐか  中嶋 秀子 

開花の不思議

  ヤツデの花は虫媒花ですが、昆虫の少ない真冬に開花するので、受粉のため多くの昆虫を引き寄せる必要があるので、特別甘い蜜を蓄えています。集まってくる昆虫にはハナアブ、オオハナアブ、ミツバチ、オオクロバエ、キンバエなどがあり、冬というのに実に多種類の昆虫が真冬の陽だまりで盛んに蜜を吸っているのが観察されます。ヤツデは同じ花の受紛を避けるため、特別の仕組みを持っている植物として有名です。花は両性化(一つの花に雄シベと雌シベがある)ですが、普通の両性化(雄シベと雌シベが同時に熟し受粉)とは違うのです。ヤツデの花は開いたとき、花弁と雄シベが成熟して花粉がでますが、このとき雌シベは未熟のため昆虫がきて花粉を集めても受紛しません(雄性期:male stage)。中性期(無性期)の数日を経て、花弁と雄シベが落ちたのち、雌シベが成熟し(雌性期:female stage)他の花の花粉を付着した昆虫から花粉を受け取り受粉するのです。実に巧妙に雄シベと雌シベの成熟時期をずらして近親結婚を避けているのです。一見雄花と雌花が別々についているように見えますが、実は両性花なのです。

  知名度の高い植物図鑑に、ヤツデは両性化と雄花を有すると書かれていますが、私は違和感があります。それは、ヤツデのどこに雄花があるのか見つけるのは容易ではありません。それもそのはず、雄花と称しているのは、花序の中で枝分かれ回数の多い小花序で、最後に咲く花が該当し、この花は、はじめに咲く花と同じで、花弁と雄シベが成熟して花粉をつくりますが、雄性期が終わると雌シベの成熟なしに枯れてしまうのです。つまり、雌シベのもとはあるのですが未熟なままで受粉することなく脱落するのです。雌シベが成熟しない花なので雄シベというのでしょうが、どうもすっきりしません。果実は春には黒く熟し、ヒヨドリなどに食べられ、その糞の中の種子起源のヤツデがいたるところに生えてきます。このような植物の増え方を私の故郷の鳥取弁で捨て生え(すてばえ)といいます。

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ヤツデの葉は9つに割れているものが一番多いようです。

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ヤツデの花:ミツバチが蜜を吸っているのが雄性期の花で花弁と雄シベガ良く発達している。

この時点で雌しべは未発達。

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花弁と雄シベが脱落。5本の雌シベが発達した雌性期、蜜を出して他の花の花粉を着けた昆虫の受粉を待つ。自分の花粉では受精しない仕組み。

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上のミツバチが蜜を吸っている花は雌性期の花(ほとんど受精している)。下の花は雄性期で花弁と雄シベが良く発達しており、他の花の受粉に使われる。

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結実した花(青く丸い)と雌シベの発達なしに枯れて脱落している花(茶色っぽい花で、これを雄花というそうですが、私は受精しなかった両性化と言いたい)。


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